今までに見たTED talkの感想(随時更新)

書きたいことはたくさんあるし、実際のところたくさん書いてはいるんだけど、いつも書き終えることができなくて、このブログの非公開記事には書きかけの文章が大量に溜まっている。

書くことが好きで、小学生のころは自由帳を文字で埋めていた身としては寂しくそして歯がゆくもあるのだけれど、ここ数年は大学のレポートくらいしか文章を書いていないし、これも仕方のないことかもしれない。

と、書き出しから本文の趣旨に関係のない話なんかをしちゃうのも文章が下手な所以か。

だから今回は長い文章は書かない。今までに見た動画にコメントをつけて紹介していくだけなら、短い文章の組み合わせで済むもんね。

 

 

ここ最近電車の中などでよくTED Talksを見ている。

私がTED Talksの存在を知ったのは大学に入学してからで、英語の先生はみんな口をそろえて入学したての私たちに「みんなTEDを見なさい」と言ってきたものだった。

もっとも、外国人講師の話など半分しか理解できなかった私は、「あのクマの映画??」なんて困惑していたけれど…

もちろんクマの映画のことではなく(それも面白いんだけどね)、TED Talksというのは著名な作家やアーティストやジャーナリストや政治家や、とにかく様々な分野で活躍する人が"広めるに値するアイディア"をプレゼンする動画である。実際のところはTEDという団体がそういう人たちを招いてカンファレンスを開いていて、その様子を収めた動画がTED Talksということだ。

基本的に言語は英語で、字幕のon/offの切り替えができる。それが英語のよい教材になると評判なんだそうだ。何より内容が面白いので、英語の勉強のためというよりは楽しみのために視聴するつもりでいる。

そこで、今までに視聴したTED Talksを感想をつけてまとめておくことにした。
結構「面白いトーク」みたいなリンクから選んでいるので、面白いものが多くまとまっていると思う。

 

1.スーザン・ケイン「内向的な人が秘めている力」

学校でも職場でも、外交的な人が評価される社会。
でも、内向的な人は、自分に向き合い創造性を高めたり、
周囲の人に耳を貸す力を秘めている。
内向的な人の素質が、ただ内向的であるというだけで評価されない、
そんな社会を変えていこう… という話。

内容が興味深く、内向的な人間のひとりとして共感できるだけではなく、
彼女の人間性の親しみやすさが話し方からにじみ出ていて癒されます。

 

2.ウィル・スティーヴン「頭が良さそうなTEDトークをする方法」(TEDx)


「NOTHING。それがこのカンファレンスで僕が話したいことです」
まったく意味のないことを6分間話し続けるという衝撃的なトーク。
話し方ひとつで何か重要なことを話しているかのように見せることができる。

爆笑できるだけではなくプレゼン技術を学ぶのにも使えます。

 

3.ベンジャミン・サンダー「音楽と情熱」

間違いなく面白いです。前半はクラシックを理解するための理論的な話なんですが、
これが軽快な語り口でピアノの実演も交えているので理解しやすいし、
なにより「クラシックを理解できるのは素晴らしい!」という気持ちになります。
そして後半はベンの個人的なエピソードの紹介が多いのですがこれも感動します。

お気に入りのトークのひとつです。

 

4.ダン・ピンク「やる気に関する驚きの科学」

素晴らしい仕事を生み出すのは実は報酬ではなく「やる気」である、という話。
途中に挟まれてる実験の話も面白いし、
みんなが使っているアレやコレが実は休み時間に開発された…なんて知ってちょっとビックリ。

でも考えてみれば報酬のためではなくて自分の興味関心のためのほうががんばれることってたくさんありますよね。そう考えてみると納得です。

 

5.パトリシア・ライアン「英語だけに固執してはいけない」

どんなに有用な知識を持っていても、英語で発信できなければ知識を持っていないと見なされる社会。英語は世界の人々をつなげているが、それと同時に英語を持たない人々を隔離しているとライアンは警告する。

たとえば私が私の祖母と別な言葉を話すがためにコミュニケーションをとれなかったら、「おばあちゃんの知恵」的なものは受け継がれずに永久に失われる。日本語が失われることは想像しづらいが、世界ではそのようなことが毎日起こっている。そしてそれがどれほどの損失なのか誰にもわからない…という話。

多言語主義の重要性をわかりやすく説いています。

 

6.エイミー・カディ「ボディランゲージが人を作る」

どうせボディランゲージが印象を左右するとかそんな話だろうと思ってビックリ。
実は姿勢や身振りがストレスホルモンなどに影響していて、
たとえば10分間うずくまる姿勢をしていた人と10分間手足を広げる姿勢をしていた人では
その後のディスカッションにおけるパフォーマンスが変わる…という驚くべき発見。
大事な面接の前ではどういう姿勢をすべきか? など。参考になります。

 

7.デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」

たったの3分なのでもう見てくださいって感じですが、
リーダーシップだけでは社会運動というのは起こせないという重要な事実を教えてくれるトークです。

 

8.キャメロン・ラッセル「ルックスだけが全てじゃない。モデルの私が言うんだから信じて」

タイトルが誤解を招きそうですが、外見というものがいかに生活に影響しているのか、という話です。
彼女はモデルなのですが、そうなったのは「偉大な伝承物」の結果であり、
そのほとんどは努力してもどうにもならないものだと話しています。
そしてそれだけにモデルたちは外見に大きな不安を抱えている、とも。

知識や専門技術と違って、10年間モデルをして得た技術は3行で要約できてしまう。事故や老化で外見が大きく変わってしまったらもうモデルの仕事はできないし、そうなったら後に残るものはない。

だから「looks are not everything」であり、勉強の大切さに触れたりしているのでしょう。でもこのトークの中だとそのメッセージがちょっと弱い気もするな。何度か見ないと何が言いたいのかわからないかも。

 

9.ケン・ロビンソン「学校教育は創造性を殺してしまっている」

間違いを悪とする学校教育は、創造性を育まない。
お堅そうな外見からするとちょっと意外なくらいの軽快な語り口によって
前半3分間で要旨を語り、後半は興味深いエピソードトークになっています。
個人的には神様の絵を描いた女の子の話がお気に入りです。

 

10.アポロ・ロビンス「注意をそらすテクニック」

断言します。絶対に巻き戻します。
原題は「The art of misdirection」なのですが、本当にartとしか言いようがないですね。手品を見るようなつもりで見てください。

 

11.スキ・キム「北朝鮮で教師をするということ」


韓国で生まれアメリカで育った彼女は調査のために北朝鮮に潜入し、
将来の官僚たちである生徒に英語を教えながら、少しずつ個人的なつながりを持ち始める。北朝鮮の体質が変わることを願いながらも、自分の教え子たちが危険にさらされるのは嫌だというジレンマ。トークの最後に読み上げる手紙には感動しました。
お気に入りのトークのひとつです。

BGMいらないなと思ったらみんなコメントにそう書いててちょっと笑った。

 

12.イ・ヒョンソ「北朝鮮からの脱出」

北朝鮮つながりで。北朝鮮つながりのニュースはたくさんあるけれど、
実際それがどんな生活なのか知る機会はあまりないので興味深いです。
幸運と国際社会の協力によって脱北を果たした彼女と彼女の家族の壮絶な話。

それにしても北朝鮮が変わる日は来るのでしょうか。

 

13.メモリ・バンダ「児童婚と闘う戦士の叫び」


児童婚を禁止する法律を作るため、コミュニティから国全体へと働きかけたバンダ。
彼女が受けた、「コミュニティの伝統を尊重しないなんて」といった批判には感じるものがあります。
私たちの身近にも、「伝統だから」なくならない制度があるけれど、
その伝統の陰で尊厳を傷つけられている人たちがいるかもしれません。

ひとつ気になること。
彼女の妹は11歳で結婚したといっていますが、
マラウイでの結婚可能年齢は15歳だったとも話しているので、
とすると以前から法律は守られていなかったということなんでしょうか。
それとも彼女の妹が結婚したときは15歳よりも下だったのかな?

本当の意味で児童婚を廃絶するため、彼女はこれからも闘い続けるんでしょうね。
彼女が自分で言う通り本当に彼女は素晴らしい人です。

 

14.エル・シード「希望と平和を訴えるストリートアート」

コーランなどからの引用をアラビア語の形状を生かした「カリグラフィティ」で表現するシード。アラビア語で描くことに対して文句を言われることもあるが、それでも彼は自らの文化に誇りを持ち、アラビア語で描き続ける。今では翻訳も添えないという。それはアラビア語を知らない人への拒絶ではなく、むしろ彼の言語、文化、そして芸術への「誘い」なのだと彼は語ります。

コーランも本来は翻訳禁止なんですよね(実際には翻訳されているが、翻訳されたものはもはやコーランとは呼ばないらしい)。そのアラビア語の美しさで信者たちを魅了したとも言われているし、芸術的なものにはある種の神性が宿るというのも彼の作品を見ていると納得できる気がします。

 

15.チップ・キッド「デザインと日常における第一印象」

 装丁を手がけるチップ・キッドが、自分の作品や、日常の中の好きなデザイン・嫌いなデザインについて、明快さとミステリーという観点から解説を加えます。
すごいのは彼がトークの中にも明快さとミステリーを仕込んでいることで、
そのおかげでトークも面白くデザインされています。
村上春樹の本の装丁も手掛けているそうです。