政治に無関心な若者と若者に無関心な政治

私が高校生の時、今より少し大きな駅を利用していたので、駅前で政党が選挙活動しているのをよく見かけました。演説している人がロータリーの中央にいて、その周辺ではビラ配りをしている、というわけです。

でもね、私が通りかかっても誰もビラをくれませんでした。わざわざ声をかけて頼まなければならなかったのです。それは何故か? 制服を着ているのを見れば、私に投票権がないことは誰の目にも明らかだったからです。若者は政治に無関心だなんてどの口が言うものかと思いました。政治が若者に無関心なのに。その状況が変わるなら、18歳に選挙権が与えられるのは良いことだと思います。少なくとも制服姿の人全員を無視するわけにはいかなくなるから。

でも私が言いたいのは18歳だろうか19歳だろうが20歳だろうが21歳だろうが(以下略)、みんな投票に行こうということです。どの政党も政治家も若者に対する政策より高齢者への政策を優先しがち。高齢者のほうが投票者が多いからです。若者の投票率が低いままだと、若者は永遠に無視されたままです。

いや、もちろん、選挙に行くか行かないかはみんなの自由です。私にはなんの強制力もないし、不参加だって表現のひとつです。でもできれば行ってほしいんです。正直どうでもいいって思ってても、たとえテキトーに面白い名前の政党に投票するとしても。みんなが投票することによって若者の投票率が上がるんです。「私たちはここにいるんだ」と声を上げることになるんです。そうすれば政治家も若者の存在を無視することができなくなる。そうすればね、最初はどうでもいいと思ってた人たちだって、どうでもよくないと思えるような政治をしてもらえるかもしれません。


今ちょうどテレビで池上さんが選挙の解説をしています。どれくらいの人が見ているんだろう? 池上さんのことはキライじゃないけど、この『選挙前になると池上さんがひっぱりだこになる現象』にはちょっと思うところがあります。池上さんの説明はわかりやすい。わかりやすいだけに、私も、この番組を見ている他の人たちも、『わかった気になっている』だけなんじゃないかと不安になるんです。少なくとも池上さんの解説を聞いてるタレントさんたちは、「そうだったんだ! わかりやすーい! 池上さんすごい!」で終わっている人が多いように見受けられるし(そうコメントするよう圧力かけられてるのかもしれないけど)、twitterで感想調べてみてもやっぱりそういうのが多い。「池上さんだから見る」みたいなつぶやきを見るとやっぱり池上さんすごいなって思うけど。一体その中で、自分で疑問を抱いて調べたり、これからも関心を持ち続けたりする人はどれくらいいるのかなと不安になります。

わかりやすい説明っていうのは、わかりやすいだけでに表面的だったり、ある程度省いたりしているわけですよね。難しい問題というのは難しいだけに複雑であり、複雑な部分を省いた説明だけでは判断できないから難しいのだと思うんですが。だから専門家たちは、説明するときになるべく複雑な部分は省きたくないのかな。そして結果的にややこしいままの説明になってしまう。でもいちジャーナリストである池上さんは簡単に省いてしまいますよね。それでわかりやすい説明になっているけど、わかった気になってるだけのこともあるんじゃないかなって思うと怖いんです。もちろん、理解度がゼロであるよりは0.5でも理解しているほうがいいのかもしれないけど、でもできれば、なんでもなかんでも池上さんに説明してもらって「そうなんだ! すごーい!」で終わるんじゃなくて、「自分でも調べてみよう!」「これからも関心を持ち続けよう」って思いたいですね。

 

個人的なことだけど、選挙の直前が誕生日なので、10日は遠出すると思います。なので明日は期日前投票に行ってきますね。わざわざそのために市役所まで行くの、面倒くさくないと言ったらウソになるけど。でも私はちゃんとここにいるって伝えたい。だからもうビラ配りの時に私たちのことを無視するのはやめてくださいね、ってね。